ラマダンに関して最も多い誤解が、「なぜ毎年開催時期がズレるのか」という点です。キリスト教のクリスマスのように太陽暦(グレゴリオ暦)で固定されていないため、毎年混乱を招きがちです。
イスラム世界では、月の満ち欠けを基準とする「純粋太陰暦(ヒジュラ暦)」が用いられています。太陰暦の1年は約354日であり、太陽暦の365日よりも毎年約11日短くなります。この差によって、ラマダンの開始時期は毎年約11日ずつ前倒しになっていきます。
約33年のサイクルをかけて春夏秋冬を一巡するため、猛暑の真夏に当たる年もあれば、日照時間が短く涼しい真冬に当たる年もあります。2026年は2月中旬から3月中旬の初春にかけての実施となるため、北半球では比較的日照時間が短く、猛暑期に比べると身体的な負担は和らぎやすい時期といえます。
また、期間の正式な決定は天文学的計算だけでなく、「新月(細い三日月)を肉眼で確認できたかどうか」という伝統的な観測(ルウヤ)に基づいて宣言されるため、国や地域によって開始日が1日ズレることがあるのも大きな特徴です。