百聞は一見に如かず。渓流沿いの斜面を大胆に切り拓いて造られた「石庭露天風呂」へ足を進めると、そこに広がるのは自然岩で仕切られた8つの湯船だ。乳白色、鮮やかなエメラルドグリーン、わずかに黄色みを帯びた透明湯など、湯船ごとに色合いが異なる。同じ敷地内でありながら4つの自家源泉を引き分け、温度や空気に触れる時間によって劇的に表情を変える絶妙な湯守の技が光る。
湯船の底には湯の花が沈殿し、足を滑らせそうになるほどの濃度を持つ。川のせせらぎと山風の音だけが響く空間で、肌に染み入る熱湯とぬる湯を交互に巡る時間は、まさに非日常の極みだ。視覚と嗅覚の両面から圧倒されるこの景観こそ、全国の湯巡りファンが遠路はるばる足を運ぶ最大の理由である。