館内はまさにカオスそのものだ。木彫りの巨大な男根像、精巧を極めた春画、世界各地から収集された謎の秘宝の数々が、足の踏み場もないほどに陳列されている。ガラスケースの隅々にまで詰め込まれた展示物の総数は数千点に及び、埃の匂いと古木の香りが鼻腔を突く。
現在、館内の大半は撮影が可能となっているが、一部には厳格に「撮影禁止」が定められた禁断のエリアが存在する。その奥に収められているのは、歴史的に極めて生々しい性風俗資料や、個人のプライバシー・尊厳に関わる貴重な現物資料群だ。レンズを通さず、己の肉眼でのみ対峙することを許されたそれらの展示は、SNS時代の軽薄な消費を拒絶するかのような凄みを放っている。現地を訪れた者だけが味わえる、背徳感と好奇心がせめぎ合う生々しい体験がそこにある。