客席から数十メートル離れたステージ上のアイドルに文字を読んでもらうためには、デザイン性よりも「瞬読性(パッと見で読めること)」を最優先しなければなりません。
色彩設計においては、「明度差(コントラスト)」が成否を分けます。黒ベースのうちわに対して最も遠くまで届く組み合わせは、「蛍光イエロー(文字)× 黒(内フチ)× 白(外フチ)」です。文字と背景の間に黒の縁取りを挟むことで輪郭が引き締まり、照明の強いステージ側からでも文字がぼやけずにくっきりと浮かび上がります。
フォント選びも極めて重要です。明朝体や線が細い手書き風フォントは、至近距離では可愛く見えても、遠景では線が飛んでしまい全く読めなくなります。選ぶべきは「丸ゴシック体」「極太角ゴシック体」「創英角ポップ体」など、縦横の線の太さが均一で余白の詰まったウェイトの重い書体です。文字の隙間(フトコロ)が広いフォントほど、遠距離からの判読性が劇的に向上します。