桃のみずみずしい果肉には、愛犬の体にとっても有益な栄養素が凝縮されています。桃の成分の約89%は水分で構成されており、猛暑における熱中症予防や水分補給に適しています。さらに、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンE、腸内環境を整える水溶性食物繊維のペクチンが含まれるため、適量の摂取であれば栄養補助としてのメリットを享受できます。
問題となるのは、果肉以外の部位に潜む明確な毒性と物理的リスクです。桃の種子(仁)には「アミグダリン」と呼ばれる青酸配糖体が高濃度に含まれており、これが犬の体内消化酵素や腸内細菌によって分解されると、猛毒であるシアン化水素(青酸)を発生させます。このシアン化合物中毒の症状は急激で、細胞の酸素利用を阻害し、呼吸困難、粘膜の鮮赤色化、けいれん、ショック状態を引き起こして死に至る場合があります。
犬 桃 皮は食べられるかという疑問に対しても、獣医学的な観点からは「断固として避けるべき」というのが共通見解です。桃の皮は非常に強靭な不溶性食物繊維で覆われており、肉食寄りの短い腸管を持つ犬の消化機能積載量を超えています。皮ごと与えると重度の消化不良を招き、急性胃腸炎や激しい下痢・嘔吐の引き金となります。さらに、皮の表面に残留する農薬や特有の微細な産毛がアレルギー反応を増幅させる要因になります。