現場で毎年繰り返される悲劇が、「記録を突破したはずなのに全国に行けない」という判定ルールの誤解です。中体連が厳格に管理する全中陸上参加資格判定基準には、一般のファンや陸上経験の浅い保護者が見落としがちな複数のハードルが存在します。
最大の落とし穴が全中陸上追い風参考記録のレギュレーションです。短距離走(100m、200m、ハードル種目)および走幅跳において、競技中の追い風が秒速2.0メートル(+2.0m/s)を超えた場合、たとえ標準記録を大幅に更新していてもすべて参考記録扱いとなり、全中の出場権は剥奪されます。「11秒15の快走を見せたものの、風速計の表示は無情にも+2.1m/sだった」というケースは毎年のように全国の競技場で起きています。
さらに、計時システムに関する規定も見逃せません。全中の参加標準記録は、1/100秒単位で計測される全自動電気計時(写真判定システム)で測定された記録のみが有効です。地域の記録会などで用いられる手動計時の記録は一切認められません。また、予選・準決勝・決勝のいずれのラウンドで記録を突破しても有効ですが、オープン種目やタイムレースの組み替え(オープン参加枠)での記録は無効とされる規程が一般的です。指定大会の正規プログラム内で、正式な気象・計時条件下において達成されたものだけが、全中への切符として受理されます。