日本ボクシング史において、IBHOFの門をくぐったファイターはわずか2人しか存在しない。1995年に日本人として初めて選出されたファイティング原田と、2015年に殿堂入りを果たした具志堅用高である。
原田の選出は、世界に衝撃を与えた。当時「黄金のバンタム」と呼ばれ、無敵を誇っていたエデル・ジョフレを2度にわたって撃破した偉業は、海を越えてアメリカの記者たちの脳裏に深く刻まれていた。原田自身、後に「海外メディアに自分のボクシングがそこまで評価されていたとは、現役時代には夢にも思わなかった」と語っている。自らの拳で国境をこじ開けた先駆者の姿がそこにあった。
一方、具志堅用高の13連続防衛記録は、WBA世界ジュニアフライ級という軽量級の地位を世界的に押し上げる決定打となった。「カンムリワシ」の異名をとった野性的な強打と無尽蔵のスタミナは、アメリカの専門誌でも驚異的な連勝記録として特集された。殿堂入りのセレモニーでカナストータの観衆からスタンディングオベーションを受けた具志堅の笑顔は、日本のボクシング界が世界最高峰と対等に渡り合えることを証明した象徴的な瞬間だった。