この変化は日本国内に限った現象ではない。世界的なデジタルジャーナリズムの現場でも、テキストの構造改革が進んでいる。象徴的なのが米国の気鋭メディアによるSemaforプロジェクトだ。彼らは記事を「事実(The News)」と「記者の視点(The View)」、そして「異なる視点」にテキスト上で厳格に区分けし、無駄な装飾を排したニュースレター形式で爆発的な支持を得た。
国際的な論壇を牽引するProject Syndicateや、金融界の神経網であるロイター通信も、装飾のない研ぎ澄まされた文章配信に磨きをかけている。情緒的な映像に頼らず、ロジックとファクトだけで読者を唸らせる。オンラインパブリッシングの最前線では今、派手なウェブデザインを競うフェーズが終わり、テキストそのものの切れ味とレイアウトの簡素化を競う新たな戦局に突入している。