「フルタイムパートはおかしい」という声が噴出する最大の理由は、労働時間と拘束力が正社員と同等であるにもかかわらず、リターンが時給分しか得られないという非対称性にあります。
一般的なパートタイムであれば、家事や育児、介護、副業などに合わせて「週3日・1日5時間」といった柔軟な働き方が可能です。しかし、週40時間のフルタイム勤務を選択した瞬間、時間の自由度は正社員と全く同じレベルまで制限されます。それにもかかわらず、待遇面では「非正規」という枠組みに据え置かれ、昇給や福利厚生の恩恵を十分に受けられません。
さらに現場で不満を増幅させているのが、フルタイムパートにのしかかる重い責任です。人手不足が慢性化する職場では、シフト管理や新人教育、トラブル対応、さらには店舗の施錠管理や売上目標の進捗管理までパートに委ねられるケースが珍しくありません。正社員と同じ、あるいはそれ以上の責任を背負わされながら、時給換算の給与しか支払われない実態こそが、働く人を精神的・経済的に追い詰める元凶となっています。