支援で最も大切なのは、本人に無理な開示を求めないことだ。性的指向を話すかどうかは本人が決める。福祉職、医療職、行政職、家族、友人ができるのは、話しても安全だと思える環境を作ることに近い。書類の「配偶者」欄だけでなく「大切な人」「緊急時に連絡してほしい人」といった表現を使うだけでも、伝わるものは変わる。
相談窓口も、若者向けの言葉だけでは届かないことがある。高齢者は「LGBTQ」という言葉に慣れていない場合もある。「同性が好き」「男性のパートナーがいる」「家族には話していない」といった表現の方が話しやすい人もいる。支援する側は、言葉の正しさだけでなく、相手が使える言葉に耳を傾ける必要がある。
老後の備えとしては、医療、介護、住まい、財産、死後の手続きを早めに整理することが助けになる。これは高齢ゲイ男性だけの問題ではないが、同性パートナーや友人を支援者にしたい場合は、書面で意思を残す重要性が高い。信頼できる専門家、地域包括支援センター、LGBTQ支援団体などに相談する選択肢もある。