日本国内においても、ハラスメント対策の義務化などを背景に、この問題への社会的な関心は過去最高レベルに達している。厚生労働省が推進するメンタルヘルス対策や各種相談窓口でも、職場や家庭内における「自己愛的な支配行為」に苦しむ人々からの相談が急増している。
日本の文化的背景として、波風を立てない同調圧力や「身内の恥を隠す」という傾向が、事態の発覚を遅らせる要因となってきた。そのため、被害者が限界を迎えて共倒れになるまで問題が表面化しないケースも少なくない。
行政の支援体制は少しずつ整備されつつあるものの、本人に病識(自分が病気であるという自覚)が全くないことが最大の障壁だ。医療機関を受診させること自体が極めて困難であり、周囲の人間が疲弊し切ってしまう構造が全国で相次いでいる。