新居浜太鼓祭りの現場を取材すると、ネット上のSNS投稿や動画コメント欄では伝わりきらない生々しい熱量と規律の存在に気づかされます。
現場指揮者とかき夫が魅せる「阿吽の呼吸」
太鼓台を肩に担ぎ上げる「かき比べ」では、車輪(ゴマ)を外し、純粋に男たちの腕力と背筋力だけで巨大な構造物を宙に浮かせます。かき棒(本棒・添棒)に取り付くかき夫たちの筋肉がきしみ、指揮棒を持った指揮者が欄干から身を乗り出して気迫の指示を飛ばします。
地元関係者や古参のかき夫は、当時の特番インタビューや手記でこう語っています。
「太鼓台が上がるとき、150人の呼吸がひとつの塊になる。重さを感じる暇もないほど全員の意識が集中した瞬間、3トンの太鼓台が羽のように軽く浮き上がるんだ」
指揮者の笛の合図とともに「ソーリャ、ソーリャ!」の掛け声が地を揺らし、腕を真上に伸ばしきる「差し上げ」が決まった瞬間、観客席からは怒号のような大歓声が湧き上がります。
ネット上の反響とファンの生の声
近年、YouTubeやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSでは、萩生西太鼓台のかき比べ動画が多数拡散され、国内外のファンから高い評価を集めています。
- 「中萩地区のなかでも萩生西の差し上げは腕がピンと伸びていて静止時間が長い!」
- 「金糸の刺繍幕が日光に反射する瞬間が神々しい。新居浜の伝統工芸の最高峰。」
- 「統制が取れていて見ていて気持ちがいい。熱気の中に確かな職人魂と誇りを感じる。」
荒々しさだけでなく、規律に裏打ちされた美しい所作が、観る者に深い感動を与えていることが窺えます。