バンの代名詞として長く親しまれた不死身の体質は、妖精王の森に存在した「生命の泉」を口にしたことに由来します。人間であったバンは森を守護する妖精エレインと出会い、心を通わせ合いますが、突如現れた赤色魔神の襲撃によって2人は致命傷を負いました。瀕死のエレインが口移しで生命の泉をバンに飲ませたことで、彼は傷口から肉片に至るまで一瞬で再生する「完全なる不死」を獲得したのです。
しかし、バンの真の恐ろしさは不死性だけに留まりません。固有の魔力である「強奪(スナッチ)」は、他者の身体能力や物体を遠隔で奪い取る凶悪な能力です。「身体狩り(フィジカルハント)」で相手の筋力やスピードを奪って自己を強化し、「狩りの祭典(ハンターフェス)」では広範囲の生命体から限界まで力を吸い上げることが可能です。相手の急所や心臓を触れずに抜き取る搦め手も得意とし、単独での対集団戦・対強敵戦において無類の粘り強さを発揮しました。
物語後半、バンは魔神王の呪縛に囚われたメリオダスの感情を救出するため、生身の肉体では数秒で灰燼に帰す苛烈な世界「煉獄」へと単身突入します。精神時間にして1000年以上もの間、灼熱・極寒・毒気に晒されながら変異生物と戦い続けた結果、バンの肉体と精神は常軌を逸した耐性を獲得しました。魔神王の瘴気すら意に介さない強靭な肉体と、奪う力から反転して生命力を他者に分け与える「贈与(ギフト)」を習得したことで、バンは不死身という枠組みを超越した真の怪童へと覚醒を遂げました。