ジャーキングの多くは、単なる手足のピクつきだけでなく、「階段を踏み外した」「崖から真っ逆さまに落ちた」「宙に浮いて急降下した」といった鮮明な落下感覚や夢を伴います。この不快な体感にも、脳の進化と生体防御システムに根ざした明確な理由が存在します。
覚醒から睡眠へのシフト時、脳内では浅いノンレム睡眠へ向けて筋肉の緊張を急速に緩めます。しかし、過度な疲労や不安定な体勢で眠りに落ちると、筋肉の脱力スピードが通常より極端に速くなることがあります。すると、脳幹(特に生命維持を司る原始的な部位)は「急激に重力が失われた=高所から落下している」と錯覚を起こします。
脳はこの異常事態を察知した瞬間、身体が地面に激突して致命傷を負うのを防ごうと、反射的に全身の筋肉を強く収縮させて体勢を立て直そうとする防御シグナルを送信します。この無意識の緊急防衛プログラムが筋肉を激しく収縮させ、同時に「落下する夢」という視覚的・体感的なイメージとして大脳で処理されるのです。つまり、落下感の正体は、危機回避のために脳が引き起こす一種のフェイルセーフ(安全装置)の誤作動と言えます。