議論の焦点は、単なる音の大きさにとどまらない。相手チームのミスや四球の場面でも大歓声が上がることに対するマナー批判だ。「フェアプレーを重んじる高校野球において、過度なホーム感を演出するのは相手への敬意に欠けるのではないか」という指摘は、教育の一環とされる日本高校野球連盟の理念とも絡んで複雑な波紋を広げている。
これに対し、慶應義塾高等学校を率いる森林貴彦監督が提唱してきた「エンジョイ・ベースボール」の理念や、かつて甲子園を沸かせた丸田湊斗らを擁した黄金期の記憶を重ね合わせるファンも多い。応援文化もまた、生徒や卒業生が一体となって選手を後押しする正当な表現だという主張だ。伝統の東京六大学野球で培われた応援スタイルが、高校野球という枠組みに持ち込まれたことで生じる「温度差」が、論争の引き金となっている。