合格通知を手にした瞬間に始まるのは、安息ではなく新たな高みへの競争だ。生徒のほぼ全員が利用する慶應義塾大学学部内部進学制度は、外部から見ればエスカレーターのように映るかもしれない。だが、内部の現実はまるで違う。定期試験ごとの評定が積み重なり、3年間の成績累計が進路を決定づける。
特に医学部進学枠をめぐる争いは過酷だ。学年上位のわずかな席を巡り、日々の小テスト一つすら落とせない緊張感が漂う。法学部法律学科や経済学部といった看板学部への進学を巡っても、ハイレベルな学力争いが日常的に繰り広げられる。学校法人慶應義塾が誇る多様な学問への切符は、弛まぬ日常の研鑽を重ねた者だけに手渡される特権なのだ。