華やかに見えるモデル・グラビア活動の陰で、当時の清野菜名は激しい焦燥感と葛藤を抱えていました。オーディションを受けても書類審査や最終選考で落選が続き、「自分には何一つ武器がない」と痛感する日々が続いていたのです。
転機となったのは、映画『バイオハザード』シリーズで主演を務めたミラ・ジョヴォヴィッチの鮮烈なアクションに強い衝撃を受けたことでした。高校時代、アクション監督・坂口拓(TAK∴)のもとで本格的なアクロバットやアクションの養成訓練に1年間通い詰め、ボクシング、バク転、立ち回り、ワイヤーアクションの基礎を徹底的に叩き込みました。
当時のインタビューで本人が振り返っているように、「グラビアの現場で笑顔を作りながらも、頭の中では次のアクションの稽古メニューやオーディションのことばかり考えていた」というストイックな下積み時代が存在します。その執念が実を結んだのが、2014年公開の園子温監督による映画『TOKYO TRIBE』のヒロイン・スンミ役オーディションでした。審査会場で披露した圧倒的な身体能力と鬼気迫るハイキックが監督の目を奪い、無名のグラビアタレントから一躍、映画界の主役へと躍り出たのです。