初動捜査を主導しているのは、薬物犯罪の専従部隊だ。厚生労働省麻薬取締部、いわゆる「マトリ」と、警視庁組織犯罪対策部が並行して内偵を進めている。ターゲットの身辺には、数ヶ月前から複数の捜査員が張り付いていた。
深夜の会員制バー。人目を避けるように出入りする姿が幾度となく記録されている。供給元とされる売人ネットワークの行動確認が進むにつれ、捜査当局の関心は「誰が、どこで、どのように調達したのか」という密売ルートの核心へと絞り込まれていった。
「令状の請求に向けた証拠固めは最終段階に入っている」。ある司法担当記者はそう耳打ちする。抜き打ちの家宅捜索や任意の事情聴取がいつ行われてもおかしくない空気が漂う。