この施設が四半世紀以上にわたり高いクオリティと熱量を維持し続けている背景には、運営を担う公益財団法人江東区文化コミュニティ財団の手腕がある。単なる展示物の維持管理にとどまらず、季節ごとの年中行事の再現展示や、落語・伝統芸能の公演、地元ボランティアによる親身な解説ツアーなど、街の記憶を「生きた文化」として継承する試みが絶え間なく続けられている。
ボランティアガイドの語り口も魅力の一つだ。「この部屋の住人はどんな仕事をしていて、なぜこの道具がここにあるのか」といった細かな背景を、まるで近所の噂話をするかのように生き生きと語ってくれる。案内を聞きながら歩けば、展示の解像度が何段階も引き上がることは間違いない。