飛田新地料理組合が位置する地域は、日本の風俗営業・飲食業界の中でもきわめて特殊な歴史的・行政的背景を抱えている。大正時代から続く旧遊郭の面影を残しつつ、風営法と食品衛生法の狭間で独自の営業スタイルを維持してきた。
同組合は地域コミュニティの治安維持や警察との協議の窓口としての役割を果たしており、単なる営業主の集まりにとどまらない自治組織的な側面を有している。政治・行政の観点から見れば、都市再開発や警察の取り締まり方針と常に隣り合わせの緊張関係に位置していた。弁護士としてこの組織に関わるということは、単なる民事トラブルの解決を超えて、地域の歴史的背景や行政指導の現場に対峙することを意味していた。