橋本潮氏といえば、1980年代から1990年代にかけて数々のアニメソングをヒットさせた実力派アニソン歌手だ。代表曲「ロマンティックあげるよ」は、甘酸っぱい青春の空気感と伸びやかな歌声が見事に合致し、今なお世代を超えて愛され続けている。さらに『エスパー魔美』の主題歌など、当時の子どもたちの記憶に深く刻まれた楽曲は数知れない。
だが、その華々しい光の裏には、昭和から平成初期におけるアニソンシンガー独特の苦悩が存在していた。当時のアニソン歌手は作品の顔でありながら、権利関係や印税の分配において十分な還元を受けられないケースが少なくなかった。輝かしい実績を持ちながらも、時代の変化とともに活動の場が限られていった現実。往年のファンが抱く憧れと、歌い手本人が抱え続けた現実のギャップが、長年の蓄積を経て一気に噴出したと言える。