アスリートの功績が社会に与える影響力と、それをすくい取る政治の力学。フィギュアスケート界が黄金期を迎え、リンクの熱気がそのまま国家の活力へと変換されていったあの時代、スポーツ報道と政治ジャーナリズムはかつてないほど緊密に交差していた。
競技の枠を飛び越え、日本人のアイデンティティや誇りと直結した彼女の滑り。そして、それを受け止め、国のエネルギーとして発信しようとした政治の舞台裏。二人の関係性を紐解くことは、現代日本における「象徴」と「大衆心理」のあり方を読み解くための極めて重要なケーススタディとなっている。