当選当初、周囲が抱いていた「法曹出身首長ゆえの慎重姿勢」という見立ては、良い意味で裏切られることとなった。小川氏が着手したのは、徹底した予算構造の組み替えと、市民参加型プロセスの再構築だ。トップダウンで決まる大型投資事業を厳格なリーガルチェックと費用対効果の観点から総点検し、不要不急と判断された事業には容赦なく見直しを迫った。
前橋市役所の内部では、当初戸惑いの声も漏れていた。「これまでの決定プロセスが根底から覆される」――ある中堅職員はそう漏らす。だが、小川氏の狙いは単なるコストカットではない。浮かせた財源と人員を子育て支援や高齢者福祉、そして地域コミュニティの再興へと大胆に再配分する。行政のブラックボックスに光を当て、市民が納得できる明確な根拠を開示する姿勢こそが、彼女の描く改革のコアだ。