かつてのように刺青を誇示して神輿によじ登るような荒々しい光景は、もはや過去の遺物となった。浅草神社奉賛会と地元町会は長年にわたり暴力団排除を徹底しており、神輿の担ぎ手に対する身元確認や登録制、統一半纏の着用義務化を推し進めてきた。現場では警視庁生活安全部の捜査員や機動隊員が鋭い視線を光らせ、少しでも威嚇的な露出や揉め事の兆候があれば即座に介入が入る。
「刺青そのものを一律に禁止しているわけではありません。しかし、他者を威圧するような脱衣や、祭り本来の神事としての秩序を乱す行為は一切認めない。それが浅草神社の伝統を守るための明確な一線です」と、長年警備に携わる地元役員は語る。法被をはだけさせず、規律を守って神輿に肩を入れる。現在、祭りの現場で見られる刺青の露出は、徹底したルール遵守という見えない防波堤の上に辛うじて成立している。