七松小平太の代名詞といえば、誰もが即座に思い浮かべるのが「いけいけドンドン!」、そして「細かいことは気にするな!」という名言です。この痛快無比なフレーズは、原作漫画の連載初期から小平太の行動原理そのものとして描かれてきました。
言葉の元ネタ自体は、かつて昭和の応援歌や掛け声などで親しまれていた威勢の良い合いの手ですが、原作者の尼子騒兵衛氏が小平太に授けたことで、単なるスローガンを超えた「絶対的な自己肯定と前進の祈り」へと昇華しました。どれほど絶望的な包囲網に置かれようと、未知の罠が待ち受けていようと、「いけいけドンドン!」の一言とともに真正面から突破する姿は、作品屈指の爽快感を生み出しています。
その言葉を支えているのが、忍術学園内でも群を抜く規格外のフィジカルです。作中で小平太が見せる身体能力は、もはや忍者の隠密行動の枠に収まりません。
- 飛来する大砲の砲弾や敵の投石を、バレーボールのアタックの要領で素手で打ち返す。
- 障害物にぶつかった際、避けるのではなく素手やスコップで壁や地面を掘り進み、一直線に塹壕を貫通させる。
- 屋根から屋根へと信じられない跳躍力で飛び移り、着地の衝撃すら物ともしない強靭な足腰。
この驚異的なキャラクターに命を吹き込んでいるのが、実力派声優の神奈延年(かんなのぶとし)氏です。『マクロス7』の熱気バサラや『Fate/stay night』のランサー(クー・フーリン)など、数々の魂を揺さぶる熱血漢を演じてきた神奈氏ですが、小平太に対するアプローチは格別なものがあります。
アニメ関係者の証言やイベント等で明かされたエピソードによると、小平太のアフレコは喉への負荷が凄まじく、神奈氏は「演じた後は全身全霊を使い果たして心地よい疲労感に包まれる」と語るほどです。単に大声を出すのではなく、一切の淀みや邪念がない「底抜けの陽のエネルギー」を声に乗せるため、マイク前では常に全身でリズムを取りながら収録に臨んでいたといいます。この一切の妥協なき熱演があったからこそ、アニメ放映開始から長年が経過した今もなお、小平太の声は聴く者すべての心を鼓舞し続けています。