太陽光が届く浅い海では、ピンクや赤という色は目立ってしまう。しかし、水深数百メートルを超える深海では、状況が劇的に一変する。アメリカ海洋大気庁(NOAA)をはじめとする国際研究チームは、この鮮やかな色彩が持つ意外な効果を科学的に解き明かした。
海水は光の波長のうち、赤い光を最も早く吸収する。そのため、深海においてピンクや赤の体色は光を反射せず、実質的に「真っ黒」と同等の隠れみの(ステルス)効果を発揮するのだ。天敵の目を欺き、暗闇の中に身を隠すための保護色――それが、私たちがライトの光を通して初めて目にする美しいピンク色の真実である。