多くのイラストレーターが直面する最大の壁、それが「水面の光」と「深海の透明感」の再現だ。第一線で活躍する神絵師の作画手順を紐解くと、そこには極めて論理的なアプローチが存在する。水面を描く際、重要となるのは光の網目模様、いわゆるコースティクスの効果的な配置だ。
まず、ベースとなる海の色を深さに応じてグラデーションで塗る。浅瀬はエメラルドグリーン、深部は深いインディゴブルーに設定するのが鉄則だ。その上に、太陽光が水面で屈折して海底や水中に描き出す光の網目を追加する。レイヤーモードの「加算(発光)」や「スクリーン」を巧みに使い分けることで、瞬時に水が輝き出す。
さらに深海の深遠さを表現するためには、手前と奥の視覚的距離感が欠かせない。海中に差し込む光の筋(薄明光線)を描き込み、粒子感のあるエフェクトを散りばめる。この一手間が、平面的なイラストに圧倒的な奥行きと静寂をもたらすのだ。