トマト缶の品質を決定づけるのが、原料となる品種と国内メーカーの加工技術だ。伝統的なホールトマトの最高峰として知られるのが、イタリア原産の「サンマルツァーノ品種」である。加熱するとエグみが消え、強烈な甘みと旨味が引き立つこの品種は、本場のレストランでも重宝されている。モンテ物産株式会社などの輸入商社が扱う本場イタリア産の缶詰めには、この伝統品種の血統を引くトマトがふんだんに使われている。
対して、日本の食品加工産業も進化を重ねている。カゴメ株式会社をはじめとする国内メーカーは、日本人の好む「甘みと爽やかさのバランス」を追求し、独自のカットトマト技術を開発した。果肉のサイズ感や潰れにくさをミリ単位で調整し、缶を開けてすぐにサラダや冷製パスタに使える利便性を実現。どのメーカーも、原料の収獲時期や選別工程に徹底的なこだわりを注いでいる。