写真の隅にわずかに写り込んだ男性ものの時計、二皿並んだディナーのプレート、あるいは「大切な人と過ごす時間」といった抽象的なテキスト。これらはすべて、古典的な匂わせのテンプレートだ。しかし、SNSのアルゴリズムが高度化した現在、その手法はさらに洗練されている。
今の主流は、一見すると単なる「日常の風景」や「失敗談」に見える投稿だ。例えば、「部屋の片付けが苦手で…」と散らかった部屋の写真を投稿しつつ、背景の鏡に意図的に他人の影を写り込ませる。あるいは、仕事の愚痴をこぼしながら、高級ホテルのラウンジのロゴをさりげなくフレームインさせる。直接自慢するよりも、間接的に「察してもらう」方が、自己顕示欲をオブラートに包み込めるという心理的計算が働いているのだ。