第二条の「上下一心、盛んに経綸を行うべし」、そして第三条の「官武一途庶民に至るまで、各々その志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す」。これらは、身分制度の壁を打ち破り、すべての国民がそれぞれの志を実現できる社会を目指すという宣言だった。かつての士農工商という固定化された階級を否定し、個人の活力を国家の原動力にしようとしたのだ。
現代社会は一見、自由で平等に見える。しかし、実質的な格差の固定化や、若者の間に漂う「どうせ変わらない」という諦念は、当時の「人心をして倦まざらしめん(人々を退屈させない、やる気を失わせない)」という理想から程遠い。個人のポテンシャルを最大限に引き出すことこそが、国の衰退を防ぐ唯一の道であるという指摘は、少子高齢化と労働生産性の低迷に悩む現代日本にそのまま突き刺さる。