カミラ・ローズマリー・シャンド。それが彼女の独身時代の名前だ。1947年に裕福な家庭に生まれた彼女は、いわゆる「お行儀の良いお嬢様」の枠には収まらない少女だった。乗馬を愛し、泥だらけになって犬と走り回り、本を貪り読む。当時のロンドンの社交界において、彼女は決して目立つ美女ではなかったかもしれない。しかし、圧倒的なユーモアと、誰の前でも物怖じしない堂々とした態度が、周囲の男性たちを惹きつけて離さなかった。
当時の彼女を知る人物は、「彼女には独特の『軽やかさ』があった」と証言する。完璧にセットされた髪や隙のないメイクではなく、風に吹かれるままのブロンドヘアに、ラフな乗馬ジャケット。その「計算されていない格好良さ」こそが、彼女の最大の武器だったのだ。