最終回を語る上で外せないのが、主人公・笙子(伊藤麻衣子)が挑む雅楽・舞楽のシーンだ。かつて非行の限りを尽くし、周囲から恐れられた少女が、更生を誓ってステージに立つ。その指先、その表情には、これまでの苦難のすべてが凝縮されていた。彼女を支え続けた哲也(国広富之)の眼差し、そして会場を包む異様な緊張感。テレビ画面から溢れんばかりの熱量が、視聴者の涙を誘った。
単なるハッピーエンドでは片付けられない。そこには、血のにじむような努力と、人間が更生することの本当の意味が泥臭く描かれていた。綺麗事だけでは済まされない昭和ドラマの真髄が、このクライマックスに凝縮されている。