結婚から10年が経った2013年、夫妻は大きな決断を下す。東京を離れ、京都へ移住したのだ。当時、長女が小学校に上がるタイミングであり、第二子の妊娠も重なっていた。子育ての環境を変えたいという思いもあったが、それ以上に「自分たちの暮らしの主導権を取り戻す」ための選択だった。
東京での暮らしは便利で刺激的だが、常に何かに追われる感覚がつきまとう。夫の沢田氏もまた、紙媒体からデジタルへの移行期の中で、自らの働き方を見つめ直していた時期だった。京都という、歴史と生活が地続きになった街への移住は、二人の価値観が完全に一致した結果だったと言える。