生栗を使った調理で最大の難関とされるのが、硬い「鬼皮(外側の外皮)」と実に張り付いた「渋皮(内側の薄皮)」の処理です。包丁だけで力任せに剥こうとすると怪我の恐れもありますが、事前の熱処理を施すだけで格段に作業がスムーズになります。
最も手軽で効果的なのが「熱湯漬け込み法」です。まずボウルに生栗を入れ、沸騰させた熱湯を栗が完全に浸かるまで注ぎ、フタをして約30分〜1時間放置します。熱によって鬼皮が柔らかくなったら、栗の底(ざらざらした座の部分)に包丁の刃を引っかけ、先端に向かって引っ張るようにめくると手で簡単に鬼皮が剥がれます。
さらに渋皮まで一気に剥きやすくしたい場合は、「冷凍加熱法」が威力を発揮します。洗った生栗を水気ごとジッパー付き保存袋に入れ、冷凍庫で一晩凍らせます。翌日、凍った栗に熱湯をかけて5分ほど置くと、温度差と水分の膨張によって皮と実の間に隙間が生まれ、包丁の先で渋皮ごとつるりと剥き取ることが可能です。
なお、生栗を軽く下茹でしてから剥く場合は、沸騰したお湯で約2〜3分茹でるのが目安です。茹ですぎると栗のデンプンが流出してご飯と一緒に炊いた際に煮崩れの原因になるため、あくまで「皮を柔らかくする」程度に留めるのが美しく仕上げる秘訣です。