季節ごとに開催されるタイトル戦は、特待生・名人が一堂に会して完全匿名審査で競い合う最高峰の舞台です。ここでは過去の段位やキャリアは一切通用せず、純粋な1句の強度のみで勝負が決まります。
夏の風物詩である「炎帝戦」や、紅葉の季節に行われる「金秋戦」、年明けを飾る「冬麗戦」、春の訪れを告げる「春光戦」では、幾度となく大番狂わせが起きてきました。下位特待生が永世名人を抑えて優勝を果たす下克上は珍しくありません。
象徴的な例として、フルーツポンチ村上健志氏がタイトル戦で見せた名句「夕桜家を出る子にいってらっしゃい」や「エルボーパス決まり秋夕焼のコート」は、俳壇の重鎮たちからも絶賛され、番組の枠を超えて現代俳句の傑作として語り継がれています。プレッシャーに押し潰されそうになりながらも、極限状態から生み出される17音のドラマがタイトル戦の醍醐味です。