名曲が真に名曲たる所以は、時代ごとの表現者によって歌い継がれていく生命力にある。日本の音楽産業の歴史において、「プカプカ」ほど多彩なジャンルのアーティストによってカバーされてきた楽曲も珍しい。忌野清志郎、桑田佳祐、ハナレグミ、さらには原田芳雄や桃井かおりといった俳優陣に至るまで、錚々たる面々がこの曲に自らの魂を吹き込んできた。
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の登録データベースを覗けば、数十組に及ぶアーティストたちのクレジットがずらりと並ぶ。歌い手が変わるたび、タバコをふかす主人公の表情は変わり、港町の風景も色彩を変える。西岡恭蔵が遺したメロディと言葉は、ひとつの楽曲という枠組みを超え、日本のポピュラー音楽における共有財産として生き続けている。