栄華の絶頂にあった政権を底なしの泥沼へと引きずり込んだのは、長年の知人であった崔順実受刑者との不透明な関係だった。国家の機密文書が非公職者である彼女に渡り、国政の意思決定や財閥への資金拠出に介在していた事実は、韓国社会に空前の衝撃を与えた。
ソウル中央地裁や韓国憲法裁判所による一連の判断は、権力の私物化に対して極めて厳しい裁定を下した。2017年3月、全会一致で言い渡された弾劾認容の判決は、現職大統領の即時罷免という韓国憲政史上初の事態を引き起こした。信頼していた側近すら遠ざけ、特定個人の助言に依存し続けた孤独な統治スタイルが、自らの政治生命に完全な終止符を打つ結果となった。