美しい梓川の清流と原生林を守るため、上高地では通年で極めて厳格な交通規制が実施されています。一般車進入禁止エリアの起点となるのは、長野県側の「中ノ湯ゲート(釜トンネル入口)」です。ここから先の上高地公園線は、自家用車はもちろん、自動二輪車や原動機付自転車であっても進入できません。
上高地のマイカー規制の理由は、昭和40年代以降に急増した観光車両による深刻な大気汚染と自然破壊、そして狭隘な山岳道路で多発した大渋滞を解消することにあります。排出ガスによる高山植物の立ち枯れを防ぎ、北アルプスの類まれな生態系を後世へ継承するための環境保全策として定着しました。
そのため、一般の観光客が上高地へ足を踏み入れる手段は、路線バス、長距離直行バス、あるいは環境基準をクリアした認可タクシーのみに限定されています。このルールを正しく理解した上で、自身の旅程に最適なバス路線を選択することが旅の第一歩となります。