店頭からポッキーミディが消え去った背景には、お菓子業界全体の構造変化と江崎グリコにおける戦略的なラインナップ再編が存在します。単に「売れ行き不振」という一言で片付けられるものではなく、複数の複合的な要素が絡み合っていました。
最大の要因とみられるのが、ブランドポートフォリオの刷新です。江崎グリコは2010年代後半から2026年代にかけ、「ポッキー」ブランドの基軸商品(赤箱)へのリソース集中と、大人向けプレミアム路線(後の「ポッキー 贅沢仕立て」など)への移行を推し進めました。ミディシリーズが担っていた「少し贅沢なショートポッキー」という立ち位置は、より高級感や明確なターゲット層を打ち出した新ラインへと役割を譲る形となったのです。
さらに見逃せないのが、製造工程の特殊性とコストバランスです。ポッキーミディはプレッツェルに対してチョコを2度・3度重ね付けするような特殊なコーティング技術を採用していました。夏場の溶けやすさに対する品質管理の難しさや、原材料価格の高騰が進むなかで、100円台半ば〜後半という手頃な価格帯を維持し続けることが徐々に困難になったことも、廃盤という決断を後押しした背景として挙げられます。