すべての始まりとなった『ポケットモンスター 赤・緑』。開発を担当したゲームフリークの初期構想には、現在の製品版には収まりきらなかった緻密な世界観が張り巡らされていた。主人公の旅立ちの地であるマサラタウン。「何色にも 染まっていない 真白な 光の町」というキャッチコピーの裏には、少年時代の無垢さと、これから直面する未知の世界との対比が意図されていたという。
当時の容量制限はわずか数メガビット。極限の制約下で構築されたカントー地方のマップには、シオンタウンの不穏なBGMやタマムシシティの巨大ビル群など、プレイヤーの想像力を刺激する仕掛けが幾重にも施されていた。特に、野生のピカチュウがトキワの森に極めて低い確率でしか出現しないバランス設計は、当時の子供たちの間で「都市伝説」的口コミを生み出す計算されたフックだった。