ピースが誕生したのは、第二次世界大戦終結直後の1946年(昭和21年)1月のことです。混沌とした復興期に「平和への願い」を込めて命名されたこの銘柄は、当時の最高級国産葉を惜しみなく使用した特別な嗜好品として世に送り出されました。発売当初は10本入りで配給品とは一線を画す高価格設定ながら、発売日には長蛇の列ができるほどの爆発的な人気を博しました。
ブランドのアイコンであるオリーブの葉をくわえた鳩のシンボルマークと濃紺のパッケージは、20世紀を代表する世界的インダストリアルデザイナー、レイモンド・ローウィが1952年に手掛けたものです。このリニューアルによってブランドイメージは不動のものとなり、日本の商業デザイン史に残る傑作として今なお語り継がれています。
ピースの神髄とも言えるのが、華やかで奥行きのあるバニラ香です。一般的な着香たばことは異なり、香料で味を覆い隠すのではなく、厳選されたバージニア葉本来の甘みと旨みを極限まで引き立たせるための調香技術が注ぎ込まれています。煙をくゆらせた瞬間に広がる甘美なアロマと濃厚な吸いごたえの調和こそが、半世紀以上ものあいだ愛煙家を虜にし続ける決定的な理由です。