ピンク・レディーの物語は、静岡県浜松市の常葉高校(現・常葉大学附属常葉高校)で出会った二人の少女から始まります。幼少期から歌とダンスに親しんでいた根本美鶴代(後の未唯mie)と、内向的な性格を変えたいと願っていた増田啓子(後の増田恵子)。意気投合した二人は、当時流行していたフォークソングを中心とするアマチュアデュオ「クッキー」を結成しました。
ヤマハのポピュラーソングコンテスト(ポプコン)などに出場しながら腕を磨いていた二人が、運命を賭けて挑戦したのが日本テレビ系列の伝説的オーディション番組『スター誕生!』でした。1970年代半ば、森昌子、桜田淳子、山口百恵の「中三トリオ」を輩出し、芸能界の登竜門として絶大な影響力を持っていた同番組。静岡地区予選を勝ち上がった「クッキー」は、素朴な衣装とアコースティックな雰囲気で後楽園ホールのテレビ予選に臨みました。
当時の映像記録や証言を振り返ると、二人のステージは既に単なる素人の歌真似にとどまらない、抜群のリズム感と息の合った美しいコーラスワークを放っていました。フォーク調でありながら、内に秘めたダイナミズムとプロポーションの良さは、目の肥えた審査員席の視線を強く惹きつけることになります。