彼女たちがタブーの領域に足を踏み入れる動機は、単なる性的な好奇心や刺激の追求ではない。取材で見えてきたのは、家庭内で「妻」「母」という役割に固定され、一人の女性としての存在を認知されないことへの深い渇きだ。何不自由のない暮らしを送っているように見えても、内面では窒息しそうな孤独を抱えているケースは少なくない。
かつては秘密の逢瀬といえば閉鎖的な場所が主だったが、現在ではコミュニケーション手段の多様化によってその輪郭が変容した。匿名性の高いSNSや日常の些細な接点から、ごく自然に心の隙間を埋め合う関係が生まれてしまう。一線を越えてしまう瞬間、彼女たちは背徳感と同時に、失われていた生の実感を強烈に取り戻しているのだ。