90年代のドラマシーンを席巻した脚本家・野島伸司。『高校教師』や『人間・失格』と並び、彼のキャリアの頂点の一つとされる本作において、小梅の存在は物語の感情的コアとして機能している。
両親を事故で亡くし、一度はバラバラになった柏木家の兄弟たち。彼らを繋ぎ止めていたのは、単なる血の繋がり以上に「互いを想い合う強い意志」だった。小梅の悲劇という最大の試練を経て、バラバラだった家族は真の意味で固く結ばれていく。過酷な現実から目を背けず、人間の愚かさも弱さも包み込んだ上でなお「愛」を信じる野島脚本の凄みが、小梅の再生ストーリーには凝縮されている。