インターネットで宿泊先をリサーチしていると、「片瀬館ひいな 心霊の真相」といったサジェストワードを目にして足踏みしてしまう人が一定数存在します。しかし、現地の歴史的背景や公的記録、宿泊者の膨大なレビューを徹底追跡したところ、過去に同館で事故や事件が発生した事実は一切確認できません。
では、なぜこのような不穏なワードが検索され続けているのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つの要因が絡み合っています。
第一に、宿の象徴でもある「雛人形(つるし雛)」やアンティークな調度品の存在感です。館内には伊豆稲取発祥の伝統文化であるつるし飾りや年代物の人形が所狭しと飾られており、日中は華やかな風情を醸し出しています。しかし、夜間になり薄暗い間接照明に照らされた空間を歩くと、その独特の民俗的雰囲気が人によっては「少し不気味」「どこか霊的」と映り、個人のブログやSNSで大袈裟に語られたことが噂の源流泉泉となっています。
第二に、海が目と鼻の先にある立地特有の環境音です。夜間の波音や海風が建具を揺らす音を、オカルト的な現象と勘違いした旅行者の書き込みが拡散された経緯があります。そして第三に、近隣の東伊豆エリアに点在する廃墟群や古いトンネルといった心霊スポット情報と、検索アルゴリズム上で混ざり合ってしまった結果です。
実際に滞在した多くの利用客からは「静かで落ち着いた和の風情がある」「人形の細工が見事で職人技に圧倒された」という声が大半を占めており、オカルト的な心配をする必要はまったくありません。