しかし、どれだけ安全基準を厳しくしたところで、リスクをゼロにすることはできない。そもそも、このイベントの本質は「素人が作った飛行機でどこまで飛べるか」というスリルにある。完璧に安全な飛行機しか飛ばさないのであれば、それはもはや鳥人間コンテストではない。
番組制作側には、より遠くへ飛んでほしい、劇的なドラマを見せてほしいという視聴率至上主義的なバイアスが常に働く。一方で、現場の学生たちも「一生に一度の舞台」にすべてを懸けており、多少の体調不良や機体の不安があってもフライトを強行しようとする心理が働きやすい。この「見せ場を作りたいメディア」と「引き下がれない挑戦者」の構図こそが、潜在的な危険性をはらみ続けている。