パスタ調理におけるもう一つの盲点が「パスタの茹で汁の活用法」です。茹で汁には、麺から溶け出した微細なデンプン質と塩分が溶け込んでいます。このデンプン質が親水基と親油基を結びつける「天然の界面活性剤」として働き、オリーブオイルと水分を一体化させる「乳化(エマルション)」を成功させます。
しかし、塩を入れすぎた茹で汁を使ってしまうと、ソース全体が取り返しのつかない塩辛さになってしまいます。万が一、塩の量を間違えて多く投入してしまった場合のリカバリー手順を把握しておきましょう。
塩を入れすぎた場合のリカバリー手順
- 茹でている途中で気づいた場合:即座に鍋のお湯をお玉数杯分捨て、同量の沸騰した白湯(熱湯)を注ぎ足して濃度を希釈する。
- 茹で上がった後に塩辛さに気づいた場合:麺をザルにあげた直後、ボウルに張った熱湯に5〜10秒ほどくぐらせて表面の塩分を洗い流す(※水で洗うと麺が締まって表面温度が下がるため、必ず熱湯を使用する)。
- ソースと和えた後に気づいた場合:塩分を含まない無塩バター、生クリーム、エクストラバージンオリーブオイル、または無塩のトマトピューレを少量加えて油脂とコクで塩味の当たりをマスキングする。レモン汁を数滴絞ることも、塩味の突出を和らげる効果的な手法となる。