多くのファンが後にスタジオジブリの作品群の中に感じることになる独特の温もりや躍動感。その「原液」とも言えるクリエイティビティを支えたのが、制作を手掛けたトムス・エンタテインメント(当時は東京ムービー)だ。当時の過酷なアニメ制作現場にあって、クリエイターたちが妥協なき情熱を傾けられた背景には、スタジオの先進的な制作体制と自由な空気感があった。
スタジオジブリ設立以前のこの時代に培われた技術と演出のノウハウは、日本のコンテンツ制作における貴重な財産となった。キャラクターの重量感や滑らかな動き、背景美術へのこだわりなど、今見返しても色あせない表現力は、制作プロダクションの優れた先見性の賜物である。