歴史を振り返ると、この作品の誕生には社会的な世相も大きく関わっている。1970年代初頭、上野動物園に初めてパンダが来日したことで日本中に巻き起こった歴史的パンダブーム。その熱気をいち早く察知し、極上のエンターテインメントへと昇華させた手腕は見事というほかはない。
時代背景を巧みに捉えつつも、単なる便乗企画に終わらせなかったのは、親子の絆や家族のぬくもりを丁寧に描いたからだ。映画館に足を運んだ親子が笑顔で帰路につく——そんなファミリー映画の本質を体現した作品として、半世紀が経過した現在も色あせることなく愛され続けている。