建物の最大の特徴は、昭和初期に流行した伝統的なスパニッシュ・コロニアル様式の意匠だ。丸みを帯びたスタッコ塗りの白い外壁、深みのある赤瓦、そして繊細な彫刻が施されたアーチ状の窓枠。そのどれもが、当時の最高峰の建築技術を集約させたアート作品そのものである。
館内に一歩足を踏み入れると、重厚なマホガニーの階段やステンドグラスから差し込むやわらかな光が目に入る。特に圧巻なのは、海に向かって大きく開かれたサンルームと、幾何学模様が美しいタイル敷きのテラスだ。風が通り抜ける廊下を歩くだけで、昭和初期の華やかな社交界へとタイムスリップしたかのような感覚を覚える。